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備忘録と考えたこと

【2019参院選】「野党推しだけどれいわかその他かどうしよっかな〜」と迷ってる人は読んだ方がいいかもしれない記事

選挙の話。


「野党推しだけどれいわかその他かどうしよっかな〜」

と迷ってる人は読んだほうがいいかも、てことを書く。

あとサッカーの話とか出てきます(あんま知らないくせに)。

 

* * * * *

 

山本太郎、れいわ新選組旋風。

この盛り上がりの渦中にいる人たちの気持ちはめちゃわかる。

かっこいいもんね。

 

でも現実的に獲得可能な議席数に当てはめて考えると、その渦は思ってるほど大きくないことがわかる。参院選は3年ごとに半数の改選だから、既存政党は今回の改選候補以外に議員がいる。でもれいわは新党だから、当然ゼロだ。もし仮に奇跡が起きてれいわが全員当選しても10議席。その数、政党が議会に持つ影響力としてはとても小さい。

しかも、現実的にはめちゃくちゃうまく行ってもれいわは3議席とかに留まるとされる。れいわはほぼ全員比例区だし、こういう政党は都市部と地方で浸透度が愕然とするほど違うので、総数としてはそうなる。この新聞社とかの票読みはかなりの精度で、そこまで大きくは覆らない。3議席ってのも好意的な読みで、大方の予想は2議席。それについて不正とか陰謀を疑ってる人への話は今回は割愛。

 

今は与党が力を持ちまくって全能感でおかしくなってる時だから、ただちに少しでも非与党議席の数の力を蓄えて抑止力としたい。
だから数年前から戦略的投票(当落線上の野党候補に投票すること)が呼びかけられたりしてたんだけど、みんなそういうのは覚えてるだろうか。

 

というか、みんな選挙をシンプルな人気投票だと思ってて、そのゲームルールをあんまり知らないからこうなるんじゃないか?と選挙のたびに思う。
中選挙区小選挙区でどう違うか。比例区の特性は。複数区と一人区は。参院の場合は3年ごとに半数の改選、てことの意味とか。俺だって当然、自分であれこれ調べるまでは全くわかってなかった。

 

このことを、そんなに詳しくないサッカーで例えてみる。
ルールを知らない人がルールのあるものを見るとどう感じるか。以下の文章を「サッカーのルールを全く知らない人」だと思って読んでみてほしい。

 

「今はめちゃくちゃシュートを打たれてビハインドな状態だが、シュートは打たれるたびにキーパーにボールが渡ることはわかった。中盤でゴニョゴニョやってもなんかスッキリしないので、山本太郎というイキのいいキーパーは、もうポジションとかシステムとか無視で、自分でドリブルして敵陣に攻めれば早いんじゃないか?と考えた。実際彼はなかなかいい選手だし、何より敵陣に一人で切り込む姿はすごく勇ましく見えた。結果的に敵も一瞬は面食らったので、最後シュートで終えられた(入らなかったけど)。それから山本キーパーは『俺に球を集めろ!』と言い続けていて、一部のサポーターも彼に同調しはじめている。」

 

さあどうする?
というのが今の状況。

 

サッカーのルールを知らない人なら、「山本に蹴らせろ!あいつならやってくれる!」と言うかもしれない。ルールを知ってる人は、「いやあの、そんな特攻は何回もうまくいかないし、ちゃんと中盤でボール回して敵陣を崩してから戦略的に攻めようよ…」て言うだろう。しかし「知ってる人と知らない人」の溝はなかなか埋まらない。お互い知ってることの内容に差があることもあまり気づいてないっぽい。

 

さあどうする?

 

スポーツとして考えれば「いや、まずはルールとセオリー知ろうぜ」てなるのが普通だと思うけど、なぜか政治だとそうならない謎があって、名だたる知識人の皆さんがみんなれいわ推しな状況になってたりする(いやマジで気持ちはわかるんだけどね)。

 

ルールとセオリーのあるゲームの戦況をさ、「俺はロマン主義文学の文脈で読むぜ!!」みたいなことすんのも別に自由だけど、それ勝ち負けからは遠ざかるでしょ。でも知識人の皆さん、そういうスタンスでやってる人多い。うーん、なぜ?ていう。わざとやってるならいいけど、だいたいのことをとりあえずアートや表現の文脈で読み解きがちな人(俺とか)は気をつけたほうがいいかもしれない。あと、「誰が知ってて、誰が知らないで喋ってるか」 についての共通の知見も失われている気がする。たぶんこれはSNS、WEBメディアの弊害。ある話題について必要な知見を持ってる人にのみ語らせるフィルター機能が失われてしまった。新興メディアで普段文化記事とかビジネス記事書いてる人とかがこの古臭い(でも超大事な)ルールを知った上で誠司方面の記事を書いてるか、だいぶ疑問。

 

さて山本太郎候補自身、「時間がない!」て街宣で何度も言ってる。

でもさ、待ってよ。れいわに票を集めて何かを変えるやり方の方がむちゃくちゃ時間かかるけど???ていう話については答えてないぽい。

 

彼はいまや国会になくてはならない人材だし、れいわも政党として成長してほしいと思う。でもそこにボールを集めるべきなのは「今じゃない」。戦況的にも、ゲームのルールとセオリー的にも。

 

れいわ推しかどうかで迷ってる人は、「時間がない!」という煽りを聞くたびに、このことを思い出してほしいなと思う。戦略的投票っていうボールの集め方のセオリーがあるので、特に都市部の大きな選挙区に投票する人はググったりしてください。おわり。

 

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こうならないといいよね、という画像。